全世界のロータリークラブは、同じ内容の定款(標準定款)を持っています。 その第5条には「目的」が書かれており、クラブ並びにクラブの会員であるロータリアンはこれに従って行動します。

ロータリーの目的(クラブ定款第5条より)

ロータリーの目的は、意義ある事業の基礎として奉仕の理念を奨励し、これを育むことにある。具体的には、次の各項を奨励することにある:

  1. 知り合いを広めることによって奉仕の機会とすること;
  2. 職業上の高い倫理基準を保ち、役立つ仕事はすべて価値あるものと認識し、社会に奉仕する機会としてロータリアン各自の職業を高潔なものにすること;
  3. ロータリアン一人一人が、個人として、また事業および社会生活において、日々、奉仕の理念を実践すること;
  4. 奉仕の理念で結ばれた職業人が、世界的ネットワークを通じて、国際理解、親善、平和を推進すること。

“The Object of Rotary (CONSTITUTION OF THE ROTARY CLUB Article 5)”

The Object of Rotary is to encourage and foster the ideal of service as a basis of worthy enterprise and, in particular, to encourage and foster:

  1. The development of acquaintance as an opportunity for service;
  2. High ethical standards in business and professions; the recognition of the worthiness of all useful occupations; and the dignifying of each Rotarian’s occupation as an opportunity to serve society;
  3. The application of the ideal of service in each Rotarian’s personal, business, and community life;
  4. The advancement of international understanding, goodwill, and peace through a world fellowship of business and professional persons united in the ideal of service.

四つのテスト

ロータリアンの道徳的指標として「四つのテスト」というものがあります。
世界大恐慌の時期、会社再建を付託されたハーバート・テーラーが、全社従業員の指標として考案したもので、国際ロータリーの会長にもなった彼は、この版権を国際ロータリーに移譲しています。
言行はこれに照らしてから

  1. 真実か どうか
  2. みんなに公平か
  3. 好意と友情を深めるか
  4. みんなのためになるか どうか

“The Four-Way Test”

Of the things we think, say or do

  1. “Is it the TRUTH ?”
  2. “Is it FAIR to all concerned ?”
  3. “Will it build GOODWILL and BETTER FRIENDSHIPS ?”
  4. “Will it be BENEFICIAL to all concerned ?”

ロータリーの誕生とその成長

20世紀初頭のシカゴの街は、著しい社会経済の発展の陰で、職業道徳の欠如が目につくようになっていました。
ちょうどそのころ、ここに事務所を構えていた青年弁護士ポール・ハリスはこの風潮に堪えかね、友人3人と語らって、お互いに信頼のできる公正な取引をし、仕事上の付き合いがそのまま親友関係にまで発展するような仲間を増やしたい、という趣旨でロータリークラブという会合を考えました。ロータリーとは、集会を各自の事務所持ち回りで順番に開くことから名づけられたものです。
こうして1905年2月23日、シカゴロータリークラブが誕生しました。
それからは、志を同じくするクラブが、つぎつぎ各地に生まれて、国境を超え、今では200以上の国と地域に広がり、クラブ数36,901、会員総1,173,299人(2022年7月現在RI公式統計)に達しています。
そして、これら世界中のクラブの連合体を「国際ロータリー」と称します。
このように、歴史的にみても、ロータリーとは職業倫理を重んずる実業人、専門職業人の集まりなのです。その組織が地球の隅々にまで拡大するにつれ、ロータリーは世界に眼を開いて、幅広い奉仕活動を求められるようになり、現在は多方面にわたって多大の貢献をしています。

日本のロータリー

わが国最初のロータリークラブは、1920(大正9)年10月20日に創立された東京ロータリークラブで、翌1921年4月1日に世界で855番目のクラブとして、国際ロータリーに加盟が承認されました。
その後、日本のロータリーは、第2次世界大戦の波に洗われて、1940年に国際ロータリーから脱退します。戦後1949年3月になって、再び復帰加盟しました。
その後の日本におけるロータリーの拡大発展は目覚ましいものがあります。ロータリー財団への貢献も抜群で、いまや国際ロータリーにおける日本の地位は不動のものになりました。現在、日本全体でのクラブ数は2,274、会員数82,935人(2022年7月現在RI公式統計)となっています。

ロータリーの定義

ロータリーは、人道的な奉仕を行い、あらゆる職業において高度の道徳的水準を守ることを奨励し、かつ世界における親善と平和の確立に寄与することを目指した、事業および専門職務に携わる指導者が世界的に結びあった団体。